こんにちは、くまカレー@管理人です。
当社で取り扱っているバックアップソフト「AOMEI Backupper」に突如として発生した2つのセキュリティ問題について、日本の一次販売代理店として問題の経緯と対応状況について説明したいと思います。
結論から申し上げると、AOMEIはすでに2件の問題に対する修正を実施し、最新版を公開しています。ただし、過去に攻撃の影響を受けた可能性のあるユーザーについては、引き続き調査と対応が進められていますが、ひとまずご安心ください。アップデートも伴うので、この記事を読んでご対応ください。
なお、この記事は、AOMEI社から公開を前提に直接聞き取りを行いました。日本語で説明しているものは、当記事のみです。
目次
セキュリティ問題は、同時期に2件発生
今回のAOMEI Backupperを取り巻くセキュリティ問題は、同時期に2つ公表されました。
① アップデートサーバへの不正アクセス
2026年4月から7月にかけて、外部の攻撃者がAOMEIのアップデートサーバを一時的に改ざんし、一部のユーザーを不正なプログラムのダウンロード先へ誘導していたことが判明しました。
改ざんは1回あたりわずか5〜10分間という短時間で行われており、発見が難しい巧妙な攻撃でした。
② AOMEI Backupperのドライバに存在した脆弱性
AOMEI Backupperの一部のドライバに、アクセス権限の管理が不十分な問題(CVE-2026-12780)が発見されました。
この脆弱性を悪用されると、通常は許可されないディスクへの書き込みが可能になり、システムの改ざんなどにつながるおそれがありました。
いずれもAOMEIが対策を実施しており、最新バージョンのAOMEI Backupper 8.5.1では、両方の問題に対応しています。
アップデートサーバへの不正アクセスについて
AOMEI Backupperを使っていると、アップデート版が登場しますよね。
起動させると「新しいバージョンがリリースされました。アップデートしてください」などの案内があって、アップデートを行うと思いますが、この新しいバージョンを配信するサーバが不正アクセスを受けたというものです。
それも巧妙なことに、わずか5分10分の短時間にだけ不正アクセスを行い、このわずかな時間内にアップデートサーバにアクセスした相手に不正プログラムを送り込むという手口で、それ以外の時間は元通りだったため発見が遅れてしまったとのことです。本件はGoogleのサイバー脅威分析チームが発見したのですが、こうした不正アクセスの手口は知られておらず、少なくともGoogleのサイバー脅威分析チームにとっては初観測だったようです。
AOMEI社は、攻撃を受けたサーバのセキュリティ対策を強化するとともに、更新ファイルの検証方法を改善しました。さらに、更新サーバの移転や不正なダウンロード先への誘導を防ぐ仕組みを導入し、同様の攻撃が再発しないよう対策を講じています。
また、すでに影響を受けた可能性があるユーザー向けに、感染の検出・除去を目的とした専用ツール「AOMEI Security Scanner」を準備中です。僕が直接AOMEI社から聞きとった10月23日時点では、ほぼ完成に近い状態となっており、現在実際に感染した状況を再現してテストを実施している際中とのことでした。おそらく間もなく公開されると思います。
それまで待てない方は、アイルランドのセキュリティ企業Malwarebytesの「Malwarebytes Free」をインストールすることをおすすめします。これは今回の問題に関する感染確認と削除ができるとMalwarebytes社から公式発表がありました。
Malwarebytes
https://www.malwarebytes.com/mwb-download
ドライバの脆弱性
Windowsには、一般ユーザーが操作できる範囲と、管理者だけが操作できる範囲を区別する「アクセス権限」という仕組みがあります。
今回、AOMEI Backupperの一部のドライバに、この権限の管理が不十分な問題が見つかりました。その結果、本来は許可されないプログラムからもディスクの重要な領域を書き換えられる可能性があり、悪用されるとシステムの改ざんなどにつながるおそれがありました。
これはカーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所に設置されているセキュリティ専門チームが発見しました。これに対しては10月9日に公開された8.5.0で対策されていたのですが、8.5.1で正式にアナウンスされました。最新版にアップデートすることで、本件の問題は解決されます。
最新版のダウンロードはこちら
https://www.ubackup.com/ss/download/adb/full/AOMEIBackupperSetup.exe
まとめ
本件は2件ともすでに対策済みになっており、適切にアップデートすれば新しく被害を受けることはまずないだろうと思われます。
取扱店だから言うわけではないですが、AOMEI社はMicrosoftやGoogleのような巨大な企業というわけではないにも関わらず、状況確認から対策まではスピーディーだったと思います。
予見できたか、予防策は十分だったか、事後対応は……など、もちろん課題がなかったわけではないと思うのですが、世界各国の色々なメーカーを見てきた僕の中では誠実だったと評価しています。中には問題があっても一切コメントをしないというところもあるので、実はちょっとホッとしていたりします。
こういうトラブルが発生したとき、そのメーカーの真の姿が垣間見える気がします。ユーザに対する姿勢、販売者に対する姿勢、厳しい事実に向かう姿勢……今回、みなさんにはどう映ったでしょうか。機会があればお聞かせください。




