解説

甘く考えてちゃ~ダメよダメダメ?個人ユーザーが陥る個人情報の「セキュリティ被害」について(2/2)

世界中にインターネットが普及した、ハイテクノロジーなこのご時勢では、コンピューター内に保存した、「個人ユーザー」の取り扱い不備による「セキュリティ被害」が、大きな社会問題となっています。

高齢者に至っては、その生態上、セキュリティの重要性を過度に軽視してしまう傾向がある様です。

今回の記事では、情報漏洩対策意識が低い高齢者が、実際に被ってしまう可能性のある、恐るべき「セキュリティ被害」と、その対策方法について解説いたします。

「ランサムウェア」について

「ランサムウェア」について
「ランサムウェア」について

ランサムウェア」は、まずは前回の記事でも説明した、 「トロイの木馬」として侵入する場合が多いです。

実例として、エッチなホームページを閲覧した際に、知らないうちに「スケアウェア」の宇宙からのメッセージが表示され、「貴方のIPと住所・氏名・電話番号を特定しました。勤め先にも報告します。それがイヤならば、クレジットカード番号を入力して下さい。お金を払ったら許してあげます」なんてメッセージが表示されたら、正にソレです。

実際はIPだけで個人情報は、開示請求でもされない限り、まずそう簡単に特定されませんし、住所・氏名・電話番号は、今この場で入力を促されている、相手が欲しい情報そのものなので、驚きのあまり、慌てて個人情報を入力してはいけません。ブラウザを閉じたのちに、PCのシステムが普通に使える様であれば、ウィルス対策ソフトで一旦PC内のデータを全スキャンしておいた方が良いでしょう。出来れば初期化キボンヌ

また、ブラウザ上で「PCがウィルスに汚染されました。今すぐ以下の電話番号に電話してサポートを受けて下さい」なんてメッセージが出たときも、騙されてはいけません。

正規のPCサポート業者で、そんなサービスを行っているなんて聞いた事がありません。電話をかけると、偽のサポート会社から間違いなく、PCの有料サポートサービスの加入を勧められますが、もしそこで、カード情報を伝えてしまい加入したとしても、先方は騙すのが目的なので、きちんとしたサポートなんて受けられません。伝えたカード情報を悪用されて、勝手に買い物をされてしまうのがオチです。まあ、越智よりはクルーンなんですが。一般のウィルス対策ソフトで除去出来ないのならば、笑って踊って辛ムーチョ、ウィルス対策ソフトでスキャンするか、PCの初期化が一番間違いの無い事でしょう。

ちなみに筆者の知人の場合(本当に筆者ではないからね!)、アダルトサイトを閲覧したら、おもいッきりPCサポート詐欺にあってしまい、お金を支払った後に、「サポートをロクにしてくれない!どうしよう(´・ω・`)」と相談を受けたことがあります。知人にはPCを初期化後、現在のクレジットカードを無効化してカード番号を再発行してもらい、どうせ見るなら「xV〇deo」にしておくようにと教育しておきました。

ちなみに「ランサムウェア」の暗号化の方法は、過去記事の様に「AES256bit暗号化」をされていたりすると、復号鍵の持ち主(ランサムウェアの作者本人)でしか解除できないというのが、誠に以てタチの悪い所であります。怒ったぞお~☆んもおぷんぷん!!! 。

迷惑メールや詐欺の電話
もし個人情報が漏れてしまった場合、金銭的損失のほか、迷惑メールや詐欺電話の宛先として使われてしまう場合があります。
一旦詐欺師に情報が渡ったら最後、迷惑メールや詐欺電話が怒涛の如く届いてしまいます。その場合、最悪、メールアドレスや電話番号を変更するしかありません。これはゆゆ式な問題です。

なぜリテラシーの低い「高齢者」は情報漏洩について危機感が薄いのか

なぜリテラシーの低い「高齢者」は情報漏洩について危機感が薄いのか
group of asian old senior male and female spending weekend time together sit on sofa couch watching tv comedy program with joyful laugh smiling happiness expression,senior people in nursing home

さて、前置きが非常に長くなってしまいましたが、ここからが本題です(読者「ここからかい!」)

なぜ「リテラシー(読解記述力。ここではPCにあまり詳しくない老害を指す。)」の低い「高齢者」は、情報漏洩について意識が混濁して、危機感が薄いのかを列挙してみますた。

盗まれても困る情報なんてないと思い込んでいる
「自分の個人情報なんて盗まれても、預金も仕事も無いし、そもそも生きている価値ゼロなんだから、盗む価値なんかゼロでしょ、みたいなもんでしょ」、と思い込んでいる人がとても多いですが、搾り取る金が無かったとしても、詐欺師に悪用される元ネタとして使われる可能性がある、となったら話は別でしょう。知らないうちに詐欺師グループのメンバーにされてしまい、心当たりがないのに、ある朝お巡りさんが来てタイーホされてしまい、無実を訴えても信じてもらえず、推定有罪で一生を檻の中で過ごすことになってしまいます。そうなってからではもう手遅れです。

自分は詐欺にひっかからない」という、根拠のない自信がある
中途半端にPCの知識のある筆者の様な、知ったかぶりの高齢者が一番手に負えません。「まさかこんな手口で……?」といった、カンタンな詐欺にコロッとよく騙されたりします。

例えば、よく路上やショッピングセンターやイベントで、無料でくじが引けるのでアンケートに住所と氏名を書いて下さい、みたいので、ホイホイ個人情報を書いたりしていませんか……?筆者はつい先日書いてしまって、現在DMが鬼の様に来ています。やったね!

ウィルス対策ソフトを入れているから安心!
ウィルス対策ソフトを入れているから安心!と過度にソフトを信頼している人がいます。しかし、ウィルス対策ソフトは万能ではありません。できたてほやほやのウィルスにはすぐには対応出来ないでしょうし、ウィルスとは関係無い、個人情報を手描きで収集するアナログな手口には対応できません。また、届いたメールを無作為に開いた結果、開いた瞬間にウイルスに感染してしまうケースもあります。全くもって油断も隙もお金もありません。心当たりが無い先からのメールは、開く前に用心をするのに越したことはありません。

個人情報のセキュリティ被害を防ぐには

個人情報のセキュリティ被害を防ぐには
Computer server racks with security shield protection symbol black on white background realistic isolated vector illustration

では、個人情報のセキュリティ被害を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。以下に列挙します。

パスワード管理を徹底する
各アカウントで異なるパスワードを設定したり、簡単に推測されない、強力なパスワードを使用する様に心がけましょう。「パスワード管理アプリ」を利用するのも良いでしょう。

怪しいリンクやメールを開かない
一見、銀行や公共機関からと思われるメールが届いても、開く前に慎重に確認するクセをつけましょう。URLに不審な点がないかチェックをするのも有用でしょう。

二段階認証」を有効にする
SNSや銀行、クレジットカードのアカウントに「二段階認証」を設定できる様であれば、その設定をしておきましょう。一段階だけの認証は危険度が高いです。

定期的にソフトウェアを更新する
Windowsアップデートは、こまめに確認してアップデートする様にしましょう。アプリケーション自身 にアップデートの設定があるのであれば、常に最新の状態に保ちましょう。OSやソフトウェアを最新のものにすることで、脆弱性を減らすことができます。

セキュリティソフトを導入する
セキュリティソフトをインストールし、定期的にスキャンを実行します。実は内緒の話ですが、 現在の Windowsに標準搭載されている「Windows Defender」は、リアルタイム保護や、ゼロディ攻撃(未知のサイバー攻撃 。)やランサムウェアに対応するための クラウドベースの保護機能、ファイアーウォール(通してはいけないデータを通さない技術。)機能 において、他社製のセキュリティソフトと比較してもそこそこ遜色ない性能を持っています。しかも無料。かつOSと統合されていて親和性も高いときたもんだ。タダより安いものはないです。(当たり前)。

まあ、もし有料のウィルス対策ソフトの方を導入したいのであれば、メールのフィルタリングや、フィッシング対策機能及び、ランサムウェア防止機能などがあるものを選んだ方が良いでしょう。

信頼できる専門家や家族に相談しましょう
もし、怪しいメールや電話を受け取った場合、PCに詳しい人や家族に相談しましょう。自分の判断だけで先走ってしまい、更に個人情報を漏洩させてしまうようなドツボにハマるのは避けた方が良いです。とにかく、一人で判断せず、専門家のアドバイスを受けましょう。インターネットのプロバイダーやPCショップなどでは、有料のPCサポート窓口を設けているところがあります。きちんと実店舗のある、信頼出来そうなお店で相談しましょう。

まとめ

まとめ

セキュリティ被害は誰にでも起こり得る現実的なリスクです。「自分には関係ない」と考えるのは危険であり、高齢者に限らず、すべての人々が注意を払う必要があります。基本的な対策を実行することで、被害のリスクを大幅に減らすことができます。

特に、インターネットやデジタル機器に不慣れな高齢者は、自分の情報の価値を認識し、少しでもセキュリティ意識を高めることが大切です。家族や社会全体でサポートし合いながら、安全なデジタルライフを送りましょう。

参考文献
Wikipedia/フィッシング (詐欺)
Wikipedia/ランサムウェア
Wikipedia/マルウェア
Wikipedia/ワーム (コンピュータ)
Wikipedia/トロイの木馬 (ソフトウェア)
Wikipedia/リモートデスクトップ
Wikipedia/Virtual private network
Wikipedia/スケアウェア

FURU

デジタル系ガジェットに散財する、自称漫画家 兼 実質ライター。 電脳ねたがテーマの漫画を得意とする。 https://www.furuyan.com/
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