目次
はじめに
最近、巷ではローカルAIと自由の話題で持ちきりですが、今度はあのAppleが、長らく築き上げてきた鉄壁の「城」を崩し始めたというニュースが飛び込んできました。
「App Store以外からのアプリ配信を容認する」
うっそーん!!!…よもやよもやの展開ですよ!
あの「我々の基準こそが世界の基準だ」とばかりに「App Store税」を徴収し、セキュリティと称して検閲を続けてきた極悪非道(ウソです。さわやかだいちゅきです♡)Appleが、ついに頭を垂れた。これは何を意味するのでしょうか?
結論から申し上げます。Appleが折れたのは、彼らが提唱する「強固なセキュリティ」や「ユーザー体験」が揺らいだからではありません。単に、DMA(デジタル市場法)や日本の新法という、国家権力が発動した「外圧」に逆らえなくなっただけです。
今回は、このAppleの「渋々容認」の裏側にある、真の目的(利益死守)と、開発者・ユーザーが手にする「自由」と引き換えの「リスク」について、当サイトらしくマニアックに掘り下げていきましょう。
欧州DMAという名の怪獣がAppleに上陸

1. ゲートキーパーの定義とAppleの抵抗
全ての発端は、欧州連合(EU)が2024年に本格施行したデジタル市場法(DMA)です。DMCはデトロイト・メタル・シティです。
DMAは、特定の巨大IT企業を「ゲートキーパー」と認定し、その独占的な力の濫用を防ぐことを目的としています。AppleのApp Storeはその筆頭でした。
ゲートキーパー認定された企業は、以下の義務を負います。
- 自社サービスを優遇しないこと。
- 競合するプラットフォーム(つまり、App Store以外のサードパーティ製ストア)の設置を容認すること。
- 外部決済システムの利用を許可すること。
これまでのAppleの主張は、
「App Storeの厳格な審査こそが、ユーザーをマルウェアの脅威から守っている」
「サイドローディングを許せば、セキュリティが崩壊し、App Storeの信頼性が失われる」
というものでした。これは一見正論ですが、我々がAES256bit暗号化の重要性や情報セキュリティ被害について語ってきた観点から見ると、「セキュリティ=検閲の道具」として使われている側面も否めません。
DMAの巨大な罰則(全世界売上高の最大20%)という「怪獣の熱線」を前に、AppleはiOS 17.4以降、EU圏内でのみサードパーティ製アプリストアと外部決済システムの導入を容認せざるを得なくなりました。
2. Appleが打ち出した「新しい税金」:Core Technology Fee
「セキュリティが崩壊する!」と主張しつつ、渋々サイドローディングを容認したAppleですが、もちろんタダでは済みません。彼らは開発者に対して、Core Technology Fee (CTF) という、新たな手数料体系を打ち出しました。
これは、年間100万ダウンロードを超えたアプリに対し、App Store経由かどうかに関わらず、1インストールにつき0.50ユーロを徴収するという、実に悪魔的…もとい、巧妙なシステムです。
筆者のホンネ:「セキュリティリスクを回避するための経費」だと主張したいのでしょうが、年間100万DLを超える人気アプリにとって、このCTFは新たな「App Store税」に他なりません。
結局、形を変えてでも利益を死守したい、これがAppleの本当の主張なのでしょう。我々のような一般ピープルやローカルLLMを提供する開発者にとっては、無視できない重い負担になります。
日本も動いた!「スマートフォン競争促進法」の独自性と影響

欧州のDMAの動きは、当然ながら世界中に波及しました。そして、日本も動きました。
1. 日本独自の法律が狙うもの
日本では、「スマートフォン競争促進法(スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律)」が、2024年6月に成立し、2025年12月18日に全面施行されます。
詳しい内容は説明が面倒クサいので以下の動画を参照してください。しどい。
2. Appleの主張と日本の法律の「行き違い」
Appleは、自社のセキュリティ主張を世界共通で適用したいと考えています。しかし、日本の法律は、消費者の選択肢の拡大と国内開発者の経済活動の活性化に重きを置いています。
たとえば、我々のような技術系サイトが過去に論じた「クラウドとオンプレミスのコスト比較」の文脈で考えると、これは非常に重要です。
日本のIT企業が、高額なAppleの手数料を回避し、ローカルAI技術を駆使したアプリ(例えば、キャラ固定技術を内蔵したマンガ制作ツールとか。欲しい!)を開発・販売しやすくなれば、市場が一気に活性化する可能性があります。
日本の法律は、Appleの「安全と引き換えの独占」という主張を、経済的な観点から切り崩そうとしているのです。
ローカルAIとセキュリティの観点からAppleの主張を検証する
AppleはApp Store以外を容認した現在も「ユーザーセキュリティ」を最優先事項として掲げ続けています。しかし、本当にそうでしょうか?
1. 本当のセキュリティは「脱プラットフォーム」にある
当サイトではかねてより、クラウドストレージの検閲問題や個人情報の外部流出リスクについて警鐘を鳴らしてきました。
本当の意味でデータが安全なのは、あなたの手の届く範囲、つまりローカル環境です。
- ローカルLLM: OllamaやLM Studioで実行されるLLMは、ネットワークから完全に隔離可能。会話内容が外部サーバーに送信されるリスクはゼロです。
- 画像生成AI: ComfyUIなどで生成されたマンガデータは、すべてローカルストレージ内に、AES256bit暗号化を施して保存できます。(暗号化しないでも保存できるけど)
App Storeという「プラットフォームの壁」の中で守られるセキュリティは、そのプラットフォームの運営方針に依存します。法律によってその壁が崩れた今、ユーザーは「自己責任」でセキュリティを確保する術を身につける必要があるのです。
【筆者の提言】
Appleのセキュリティ神話に頼るな!
むしろ、サイドローディングの自由を利用して、App Storeの審査に縛られない、真にセキュアなローカルAIアプリをインストールする時代が来たと考えましょう。Mini PCとeGPUで最強のローカルAI環境を作っておけば、モバイル側で何があっても怖くありません。
著作権とオプトイン論争への影響
App Storeの厳しい審査から逃れることができるようになれば、AI学習データにおける著作権問題やオプトイン/オプトアウトの議論(当サイトで論じた記事参照)も、より自由な形で議論・実行される可能性があります。
例えば、特定の権利者のデータのみを学習したAIモデルを使用したアプリを、App Storeの審査を通さずに、クローズドなストアで開発者コミュニティ向けに提供する、といった柔軟な運用が可能になるかもしれません。
結論:自由の獲得と「2025年の崖」

AppleのApp Store開放は、IT業界のパラダイムシフトです。
- 開発者は自由を得た: 30%の手数料と厳しい検閲から解放され、より尖った、収益性の高いアプリを開発できるようになります(ただしCTFという新たな負担はありますが)。
- ユーザーは選択肢を得た: 安全なApp Store内アプリだけでなく、よりニッチで革新的なサードパーティ製アプリを利用できるようになります。
しかし、この「自由」は「自己責任」と表裏一体です。
マルウェアのリスク、決済情報のセキュリティなど、これまではAppleが負っていたリスクを、ユーザー自身が管理する必要が出てきます。
これは、企業がDXの遅れを取り戻すべきとされる「2025年の崖」問題にも通じます。
モバイル戦略においても、これまでの「Apple任せ」の体制から脱却し、「自社でセキュリティと収益をコントロールする」ハイブリッドな戦略が求められる時代へと突入したのです。
自由を獲得した我々は、その自由を守り抜く責任がある。
ローカルAIの知識と、セキュリティ意識を武器に、新たなモバイル戦国時代を生き抜きましょう!
参考文献
Apple/App Store – Apple(日本)
Yahoo!ニュース/iPhoneユーザーは要注意⁉ アプリ料金の支払時に発生する「Apple税」とは?Android版との金額差はどれくらい?
Wikipedia/ゲートキーパー
Apple/Core Technology Fee – サポート
公正取引委員会/スマホソフトウェア競争促進法(スマホ法)
おまけ漫画(ネームから仕上げまで全てgemini/Nanobanana Proのみで生成しております。)





