深掘り解説

漫画家の面目躍如!?絵を一切描かないで4コマ漫画を描くことはできるか(前編)

高性能・高品質なPCが、一般市場に出回るようになって久しい今日この頃ですが、近頃「生成AI(Generative AI)」なるものが世間を大いに賑わしています 。

例えば、どんなに世情に疎い人であっても、「ChatGPT」なるサービス名くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。筆者も毎日喜々として、あんな事やこんな事のおせっせに利用しております。

「ChatGPT」に代表されるイマドキの「生成AI」は、「プロンプト(生成AIとやり取りする際に利用する、指示や命令文)」をそのまま入力するだけで、画像生成やテキスト生成、各種計算処理をしてくれる優れものです。

特に画像生成は、利用する人にとっても敷居が低く、誰でも簡単にチャレンジ可能な優れものです。

「ChatGPT」は2023年以降、画像生成AIである「DALL·E 3」との統合が進み、「ChatGPT」内から簡単に画像生成を行えるようになりました。

「DALL·E 3」とは、テキストによる指示から高精度な画像を生成するAIです。人物、背景、小道具など、詳細な描写まで反映可能で、特定のスタイルに合わせた表現にも対応できます。

そんな「ChatGPT」の画像生成機能ですが、これまでのバージョンは、人物を作成しようとプロンプトを入力するたびに、キャラクターや服装、背景などがランダムで作成されてしまい、連続したキャラクターが登場しなければ話が作れない「漫画」というスタイルには、正直「使えないな」状態だったのが実態でした。

実はそんな時でも、お気に入りの絵柄が生成出来たタイミングで、「GEN_ID」と「シード値を教えて!」と生成AIに入力して、出力された値を、新たなプロンプトで指示してやることで、ある程度の連続性を担保する方法は、あるにはあったのですが、やはり隙あらばランダムにデザインを変更してしまおうとする、厄介な存在でした。

しかし、2024年後半からの技術やテクノロジーの進化により、様々な手法で、ある程度のキャラクター固定が可能になってきました。そうなると、いよいよ実際に自分の手で絵を描かなくても、「4コマ漫画」くらいは作ることはできるんじゃないかい?…という欲望がムクムクと起き上がってくるワケです。

実はここだけの話というか、別に隠している訳ではなく、むしろアピールしているくらいなのですが、筆者は一応、自称「漫画家」です。本人の気分的にはITライターは、おまけ感覚です。

ふるやんの部屋

ふるやんの部屋

とりあえずカワユイ女の子も描こうと思えば描けますが、本サイトで技術系記事しか執筆させてもらえない事からも分かるように、そっち系の仕事の依頼はゼロです。ライターとしての需要が、ほんのちょびっとあるくらいなのが実態です(涙)。

スライム


あまりに需要が無いのと、加齢により、最近は絵を描くのが面倒になってしまいました。
唯一、とある科学の超電磁砲系出版社である「工学社」の、これもまた、とある月刊PC雑誌「I/O」誌に、過去30年弱の連載で、文字原稿のおまけに4コマ漫画を載せさせて頂いておりますが、あくまでもこれは自分の記事に、自分で勝手にカットを載せているだけの編集部の扱いであり、漫画単体で需要がある訳ではありません。しかも生成AIで描かれるおにゃの子の方が、断然可愛いし、しかも上手い!色付け放題だし!

もう心が折れた!

そこで本記事では、漫画家の面目躍如!?全然、面目躍如じゃないですが、絵を一切描かないで4コマ漫画を描くことはできるのかどうか、こどもチャレンジしてみたいと思います。

これまで、キャラクターの固定は難しかったが、今はできるように?

さて、生成AI(ここでは便宜上、「ChatGPT」ということにしてしまいます)キャラクターを固定する主な手法としては、以下が挙げられます。

  • 同じプロンプト(例:「赤いカチューシャの少女、ツインテール、小柄、制服」など)を繰り返し使用する
  • 同じ画像(リファレンス画像)を複数コマで参照させる
  • ChatGPTに登場キャラクターの特徴と背景を記憶させ、それを元に複数枚を順番に描かせる

などなど。これらの手法を駆使することにより、「同じ女の子(別に女の子限定ではないですが)が出続ける」4コマ漫画の制作が、つひに現実味を帯びてきたのです。おお。そして、今は超簡単にそれが出来ます。

自分で描いたキャラクターを、生成AIに読ませてみる

一からキャラクターを、生成AIに勝手に作らせても良いのですが、そこは腐っても自称漫画家。「描かない漫画家」を目指しているとは言え、とっかかりのキャラクターの原案くらいは、自分のキャラを使いたい。

ということで、自分のホームページから、女の子のキャラクターの顔を抜き出してきました。30年前の画風だと、様々な人に高評価とチャンネル登録を宜しくね、を頂いているキャラクターがこれ。

A美・B子

…一からキャラクター作れ、という声は無視することにして、こいつを、最新の「ChatGPT 4o」に食わせてみます。何回か試行錯誤して描きなおす可能性を考えると、最低でも有料の「ChatGPT Plus」には入っておいた方が良いでしょうね。必要経費と思って割り切りましょう。

次にキャラクター名を指定します。左の女の子を「A美」、右の女の子を「B子」と指定します。

文章的には、「指定します」でも「名前をつけます」でも、極端に文法的に間違っていなければ、好きな表現で構わない筈です。たぶん。あまり神経質に考える必要もないようです。人間の適当な言葉のニュアンスまでつかみ取る「ChatGPT 4o」、凄いですねー!

今日はどうしましたか?

エンターキーをクリックすると、以下のメッセージが出ました。

「了解しました。左側の金髪メガネの女の子を A美、右側のピンク髪で笑顔の女の子を B子 として認識します。今後この名称で参照いたします。どのように編集・加工・使用されたいですか?」

名称指定

これだけで、「ChatGPT」にキャラクター名が割り振られました。

では、次に何らかの絵を描かせてみましょう。ありきたりですが、こんな絵を描かせてみましょう。

「『A美』と「『B子』にセーラー服の夏服を着させて、SF空間を背景に、お互い武器を持ってバトルする。」

詳細設定

エンターキーをクリックすると、作画を開始し始めます。

私の環境の場合、以下のメッセージが出ました(過去、AIがくどく質問するように、とのプロンプトを食わせた影響)。そのまますぐに描き始める場合もあります。

内容指定
登場人物:
『A美』:金髪・メガネの女の子
『B子』:ピンク髪・笑顔の女の子

服装:
2人とも「セーラー服の夏服」
 → 半袖・涼しげなデザイン・スカート

背景:
SF空間
 → 近未来的な宇宙都市、電子回路的な光の演出や星空・銀河など

アクション:
2人は対峙しており、武器を持ってバトル中
 → 片方が銃、もう片方がエネルギー剣など

スタイル:
アニメ・マンガ調を維持

動きと緊張感がある構図

生成してもよろしいですか?また、希望する武器の種類(例:ビームライフル、刀など)があればご指定ください。

今回は、このまま「はい」を入力して、エンターキーをクリックします。

画像作成内容確認

画像生成が開始されました!…なんか私の絵柄とビミョーに異なるような気がしますが…。まあ、AIすら再現できないほど、ワタクシの絵柄は美麗なキャラクターデザインなんでしょう…。

今回はこれで良いことにしましょう。AI時代のワタクシのオリジナルキャラクターはこいつらぢゃ。

出力結果

B子が手に持っている、ライトセーバーの描画が、何だかおかしいので、右の女の子(B子)にも銃を持たせましょう。「B子の武器を銃に差し替えて ライトセーバーの光線跡は消して」とでも入力しておきます。

出力結果

完成しました。簡単ですね!出来上がった画像は、保存するもよし、共有するもよし、味を確かめるもよし。画面のまわりを適当に探っていれば、それら関連のアイコンが見つかるはずです。

出来上がった画像の完成品がこちら。カワユイ!

最終画像

ちょっと肌色要素を増やそうと思って「ふたりともビキニになって」と指示を出したら、駄目だしを食らってしまいました。

内容が過度に露出を含む描写となる場合、対象のキャラクターの年齢や文脈により、ガイドライン上対応できない可能性があります。
そのため、「水着姿」として健全な文脈(例:ビーチでの対決、水中バトルなど)で描写する形でよろしければ対応可能です。

例えば:
SFビーチを背景に、A美とB子が近未来的な水着で対決
水中基地の中で浮遊しながら戦う…など
その方向で進めてもよろしいですか?

AIはあくまで健全に使いましょう、とのことです。失礼しました。

ただ、「海岸でくつろいでいる二人 水着姿で」と、指示内容を工夫したら、あっさりビキニになってくれました。この辺のAIとの駆け引きが画像生成AIの醍醐味ですな。なんかB子にアホ毛が勝手に追加されているけど、まあいいや。

完成形

じゃ、また!

…って、まだ話は終わっていませんよね。そう、肝心の4コマ漫画をまだ作っていません。次回はそのあたりを実践してみたいと思います。

参考文献
Wikipedia/生成的人工知能
Wikipedia/ChatGPT
manerto/ChatGPTの画像生成AI「DALL-E3」で同じキャラクターを作成する方法を解説!
ふるやんの部屋
ChatGPT/料金

FURU

デジタル系ガジェットに散財する、自称漫画家 兼 実質ライター。 電脳ねたがテーマの漫画を得意とする。 https://www.furuyan.com/

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