スーベレーン M800 緑縞
2009年07月17日 | カテゴリー アーカイブ
ペリカンの万年筆、スーベレーン800 森山モデルです。
僕は本業も含めて文章を書くことが非常に多いです。特に文章系の仕事が入ると、1日に5,000文字以上は書く必要に迫られたりします。
この字数になってくると、どうしてもパソコンに頼らざるを得ないのですが、それでも毎日1回はペンを握るように習慣づけています。
毎晩の寝る前に日記をつける習慣が、ここ5年以上ずっと欠かさずに続いています。また、その時一緒に明日の行動予定なども書き出すようにしていますが、その作業でもペンを握るように心がけています。
長らく鉛筆やシャープペンは握っていません。
ボールペンは銀行やら役場関係やら仕事上で大いに使いますが、元々あまり好きではないのです。
インクペンは良いのですが、気に入ったペンを使っていて、ある日文具店へ行くと、もう販売がストップされていたりします。
気に入ったものを、これからも長く使いたい……
そんな気持ちでいるところに出会ったのが、この万年筆という道具です。
日本の万年筆界にその人あり、と謳われた森山信彦氏が研ぎ出した万年筆を、人は森山モデルと呼びます。
注文者が試し書きをしたりする間にその書き癖を見極めて、微妙な調整を加えて研ぎ出します。その人のために研ぎ出された万年筆の書き味ときたら、まさに病みつきになる心地です。書いても、書いても、まだ書き足りぬ感じです。まるで喉の渇きを潤さんばかりの勢いで、次々に文字を書きたくなるのです。文具品でこんな感覚を味わったのは初めてのことでした。
僕は太字にこだわって、3Bを3Bとして研ぎ出してもらいました。3Bもの太さになると、インクの流れ出る量も多く、ヌラヌラ、テラテラとペンが走ります。紙と万年筆の間にインクが入り込むから、実に滑らかに動くのです。インクの量も多いので、文字の濃淡もはっきり出て、それはそれで趣があります。太字は罫線が細かいと書けない、紙質によっては大いに滲む、使う状況を選ぶ……など不利な点もありますが、文字を楽しむ、書くを愉しむという意味では大変良いものだと思っています。
スーベレーン800という万年筆自体も実に素晴らしい万年筆で、ドイツ・ペリカン社が1本1本手作りした、2本と同じ品物はないものです。
透明と緑の樹脂を交互に貼り合わせ、丸めてカットした軸は手作業ならではの微妙な歪みが魅力です。ペンライトで反対側から照らすと、インク機構の部分が透けて見えて、これもまた面白いものがあります。ペン先は24金。金は高級感を演出する装飾というだけでなく、インクによる腐食を抑える目的でも使われています。
ペン尻がネジ状になっていて、クルクル回すとインクが排出されます。
インクボトルに深々と突っ込んで、ゆっくり元に戻せばインクが充填される仕組みです。実に見事な機構です。
何度か吸入、排出を繰り返すのがクリーニング。万年筆は水で洗ったりしないのが一番なのだと森山氏から教わりました。
お気に入りの万年筆で書くということ。
気持ちの上での充足感、
引きずった気分の切り替え、
書くという行為自体への再認識。
僕のこだわりは、この万年筆を使う気持ちの良さにあると思います。
Popularity: 28%
コメント
コメント(1) to “スーベレーン M800 緑縞”
コメントする


[...] 昨日、外出の折りに万年筆の研ぎ屋フルハルターの森山氏とお会いしました。 フルハルターについては、こちらの記事をお読みください。簡単に言えば、万年筆をその人その人に合わせて研ぎ出してくれるという日本唯一の研ぎ職人のお店です。 [...]