Windows用データベースソフトと言えば、Access。
プロフェッショナルユーザから見たAccessは、動作が鈍い、融通が利かない、データベースの性能として不十分だとか色々言われるけど、僕は個人的に優秀なソフトだと思っています。本格的なデータベースソフトと異なり、一応専門知識が低いユーザでも使いこなせるようなインターフェースを装備していて、マイクロソフトとしてはデータベースの活用層を広げようとしているんだと思います。重いのは設計ミスでしょう。ちゃんとAccessの挙動を理解した上で手を入れてやれば、それなりに動くデータベースができるはずです。なんでもかんでもデータベースの固定概念を押しつければ良いというものじゃないと、“プロフェッショナル”なユーザさんには気づいて欲しいと思います。僕は総じて、Accessは十数万件の顧客情報を大規模に管理!とかじゃない限り、Accessは中小企業向けデータベース構築ソフトとしては秀逸な出来映えだと思います。
Macにおけるデータベースソフトといえば、FileMakerです。時々……ほんの時々ですが、テレビCMが流れているのを目にすることがあります。FileMaker社はデータベースソフトの専門会社です。
FileMakerはWin/Mac両対応ですが、元はMac畑のメーカー。というより、実質Mac用データベースを構築するとしたらFileMakerしかない状況です。ウワサによれば、Mac用OfficeにAccessが組み込まれなかったのは、協約(裏取引)があるとかないとか。
FileMakerは、Accessと比べるとさらにユーザフレンドリーな設計で、データベースの固定概念が強いと「なんじゃこりゃ〜、(パッと見)クエリがねぇよ!テーブルを直接デザインしてフォーム作るんかいな!」みたいな感じがして、なんだかお子様向け、入門編のような気分がしてくるかも知れませんが、表面的にはそうなっていても、本質的な部分はちゃんとデータベースです。データベースを初めて扱う人にとって、クエリとか、テーブルとか、リレーションシップとか、それぞれ独立した意味として扱うより、その辺が曖昧でもシームレスな方が扱いやすいですし、開発者にとっても面倒が省けていいものなはずです。僕は結構支持します。
FileMakerの特長は、データベースを簡単に構築でき、Accessよりも見栄えするデザインで立ち上げられる所だと思います。良い意味でも、悪い意味でも、Mac畑のソフトなんですよね。
Accessは逆にデータベースの基本を押さえているので、MySQLとかPostageSQLとか、もしくはOracleなんかに進んでいくための足場固めとしては最適だと思います。もちろん先に述べたとおり、よほどの大規模データベースじゃなければOKだと思うので、その先にMySQLなんか予定されていない人にとっても、十分魅力的なデータベースだと思います。
ところで、そんなFileMakerから、さらに簡素化されたデータベースソフトが発売されていて、それをBentoといいます。
パーソナルデータベースと銘打って、MacのアドレスブックやiCal(カレンダー)と連携し、なんか凄い勢いでワンタッチのデータベースを構築することができます。ちょっとしたのなら、10分程度でもう運用できる状態に……凄すぎます。
Bentoに至ってはテーブルもクエリもリレーションシップも、そういう用語一切が登場しません。概念すら非常に薄くなっていて、データベースというより、EXCELなどの表計算ソフトの延長線上みたいなソフトです。Mac専用ソフトの強みを生かして、iTunesと同じようなインターフェースを装備しており、誰でも違和感なく扱えることを目指しています。ただ、ソフトの中で完結しているため、データファイルを持ち運んで別のPCで使用したりできないし、ちょっと高機能なことをさせようとしても無理。とことんパーソナル向けなんです。
実は僕もこのソフトを買いました、4台分。特に予備知識がなかったので、あとになってから保存したデータがファイルとして出力されないとか、台数分買ってもネットワーク共有できないとか、そういう種々のことを知りました。FileMaker社のWebページを見ると、如何にもネットワーク化できそうな雰囲気漂っているんだけど……ちょっとそういうのはどうかなぁ。でも、こういう時にRe:needsは役に立つわけで。買ってみるまで分からないこと、実際に運用したら不十分であった、メーカーはそれに対して冷淡な事が多いわけですから、Re:needsに相談してもらえれば助けられるかもしれません。ちょっと宣伝。
最近、売買記録を紙媒体からデータへ移行させようと考えまして、それでデータベースを積極的に探していました。上記のような理由からネットワーク対応していないBentoでは不十分であり、Accessは使用できず、FileMakerは……高額です。Accessが定価28,000円前後なのに対し、FileMakerは39,000円前後です。4台分買えば15万円以上するわけですよ……無茶です。1人分の給料近いです。
それで使うまい、使うまい…そう思っていたわけですが、
「それでも気になる……いっそのこと体験版試してみて、性能的にできないことを実証すれば踏ん切りが付くかも。そうすれば本気でSQLでも導入するとか考えを1本に絞れるかなぁ……」
という具合で、体験版をダウンロードしてしまいました。すっかりFileMaker社の術中にハマっています。
–1時間後–
「……あ、できた」
正味30分程度で、自分が描いていた「やりたいこと」は実現できてしまいました。
ああっ、やっぱり買うの? 買っちゃうの? ねぇ、ねぇってば!
FileMaker Pro 10の非常にこなれたインターフェースの前に、3日間ほぼ徹夜に近い状況だったのが、たった30分で解決してしまい、隣で見ていたねこ社員が「……うちの在庫にあるにゃんよ」と耳元で囁いて通り過ぎていきました。K領くん、在庫から減らしといて!
ま、それでもうちの商売の強みで、比較的そういう場合に得をするのですが、その引き替えに商売のチャンスをなくすわけです。今回は、特別だね……
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